眼
■アントシアニン
眼に良い健康食品として、よく登場するのがブルーベリーです。ブルーベリーの青い色素の「アントシアニン」が人間の生理機能を活性化します。網膜には「ロドプシン」という色素体があり、眼に入ってきた光を分解・再合成させます。その連続が視神経を刺激し、情報を脳に送ります。ロドプシンは眼を使っているとどんどん分解されていきます。また、加齢により徐々に減っていくことが分かっています。
アントシアニンはロドプシンの再合成を活性化させるという研究結果がでています。アントシアニンを摂取することにより、目の疲れが取れ、視野が広がる効果があると言われています。他には、血管を強くし血液の循環をよくするという機能もあります。
- アントシアニンを多く含む食材:ブルーベリー、ビルベリー、シソ、スイカ、ブドウなど
■ルテイン
ルテインは網膜の中心、黄斑部に集まる色素「カロテノイド」を構成している大切な成分です。光を直接受ける眼(特に黄斑)や皮膚に多く蓄積されており、眼の老化を引き起こす活性酸素を抑えたり、テレビやスマホなどから発せられる有害の青色の光「ブルーライト」や紫外線を吸収したりと、網膜の細胞を保護する作用があるといわれています。
体内で生成できない成分で、加齢とともに不足しがちなので、緑黄色野菜などから摂取する必要があります。加齢黄斑変性や白内障など、加齢による眼の病気の予防や改善に働きかけます。
ルテインの1日の摂取の目安としては6mg以上摂る事が望ましいのですが、加齢黄斑変性や白内障などの病気を予防する為には、1日10mgの摂取が望ましいと論文で示されています。(The Age-Related Eye Disease Study2(AREDS2)Research Group, JAMA.,309,2005-2015(2013))
- ルテインが多く含まれる食材:緑黄色野菜(ほうれん草、にんじん、小松菜、カボチャ)卵黄、マリーゴールドなど
■亜鉛
亜鉛は、視力の維持において重要な役割を果たしている。亜鉛は、眼の中、特に網膜および脈絡膜において高濃度で存在している。 亜鉛欠乏症は視力を変化させ、重度の欠乏症は網膜および網膜色素上皮(RPE)に変化を引き起こすおそれがある。 亜鉛は、網膜内でタウリンおよびビタミンAと相互作用し、光受容体中の細胞膜を改善し、光受容体中での光-ロドプシン反応を制御し、 シナプス伝達を調節し、RPEおよび網膜の両方において抗酸化剤として働く。亜鉛は、一部の網膜変性疾患の進行を遅らせると思われる。
■ゼアキサンチン
ゼアキサンチンはルテインと良く似た構造とはたらきを持つカロテノイドで、強力な抗酸化作用を持ち、人間の体内ではルテインと共に黄斑部に存在している為、加齢黄斑変性や白内障の予防に効果があると期待されています。黄斑部ではルテインとは異なる分布をしており、より黄斑の中心部に多く存在しています。その為、ルテインと共に意識的に摂取することが大切です。
ゼアキサンチンはルテインと共に1日2mgの摂取が望ましいとされています。
- ゼアキサンチンが多く含まれる食材:ほうれん草、とうもろこし、パプリカ
■オメガ-3脂肪酸(DHA)
細胞の形成、細胞膜の合成に係る必須脂肪酸で、青魚などに多く含まれています。
特にDHAは脳と眼の機能に重要な役割を果たしており、脳や眼に関連した様々な疾病の予防と治療に有効ではないかと研究がおこなわれています。
魚油サプリメントはEPAやDHAを含み、亜麻仁油はALAを含んでいます。海産物の摂取による健康的利点に関してわずかな根拠はありますが、オメガ-3脂肪酸のサプリメントは健康的利点は現時点で明確ではありません。
- オメガ-3脂肪酸が多く含まれる食材:海産物、魚油
■β-カロテン
プロビタミンであるβ-カロテンは、視力にとってきわめて重要な活性型ビタミンA(レチナール)に変換され、 続いて成長および細胞分化に関与するプロセスに使われるレチノイン酸へと変換される。
■ロドデンドロール(メグスリノキ)
タンニンの一種である「ロドデンドロール」には肝臓・腎臓のはたらきを高める「補・肝腎作用」、目の周りに停滞する水分を排泄する「利水作用」、「気」の流れをよくする「通絡作用」、血行をよくする「活血作用」などがあります。
■ビタミンA
眼や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める働きがあります。眼に関しては網膜が光をキャッチして脳に情報を送るロドプシンの元になります。不足すると暗さに順応する機能が低下します。
- ビタミンAが多く含まれる食材:レバー、バター、卵黄など
■ビタミンC
皮膚や粘膜の健康維持を助けると共に、抗酸化作用を持つ栄養素です。体の様々な組織に分布し、コラーゲンの合成や毛細血管の維持などに関与する栄養素です。また、水晶体の老化を防ぎます。不足すると白内障が進みやすくなります。失われやすい水溶性ビタミンのため、補給を欠かさないことが大切です。
- ビタミンCが多く含まれる食材:イチゴ、アセロラ、ミカン、キウイ、グアバなど
■その他のビタミン
ビタミンB1
脳や神経系統を正常に保ち、疲労回復に役立ちます。不足すると眼精疲労が起こります。
- ビタミンB1が多く含まれる食材:ウナギや豚肉、イワシなど
ビタミンB12
ビタミンB12はアミノ酸代謝、核酸代謝、葉酸の代謝に関わっているだけでなく、脳神経や血液細胞など、多くの体内組織の維持に関わっています。また、眼から入った情報を脳に伝える視神経の伝達能力を高めたり、疲労回復に役立ちます。
- ビタミンB12が多く含む食材:アサリやカキ、サンマ、レバーなど
ビタミンD
カルシウムの吸収促進、骨の成長促進、血中カルシュウム濃度を調節する役割があります。その他、免疫機能を向上させる働きがあります。
- ビタミンDを多く含む食材:いわし、かつお、鮭、卵黄など
ビタミンE
脂溶性の抗酸化ビタミンで、細胞膜にあって細胞を酸化から防ぎます。食生活が偏りがちな方や加齢による変化が気になる方にお勧めのビタミンです。ビタミンCと一緒に取ることが効果的です。
- ビタミンEが多く含まれる食材:卵、大豆、オリーブオイルなど